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家づくり研究室

【補助金制度】GX志向型住宅補助金制度がはじまりました

こんにちは。私の名はティール教授。当研究室へようこそ。今日も私の研究課題である家づくりについて話していきましょう。

GX志向型住宅とは、エネルギー効率を最大限に高め、環境負荷の軽減を目的とした高性能な省エネルギー住宅です。再生可能エネルギーの利用や高断熱構造を採用することで、快適で持続可能な暮らしを実現します。そして、このGX志向型住宅の普及を促進するため、2025年度に政府が行う「子育てグリーン住宅支援事業」の枠組みのひとつとして2024年11月に補助制度が閣議決定され、最大160万円の補助が受けられることになりました。申請の受付は2025年5月からです。



今回のコラムでは、GX志向型住宅とは何かとその補助金制度について、また、そのメリットとデメリットについてご紹介をしたいと思います。現在、省エネルギー住宅づくりを考えておられる方にとってはうれしい制度かもしれませんので、その一助となれば幸いです。

[目次]

1.「子育てグリーン住宅支援事業」とは何か?

2.GX志向型住宅は従来の水準を超える高性能住宅

3.補助金申請の対象外となる住宅もあるので要注意

4.申請の期間と上限額について

5.GX志向型住宅補助金制度のメリット

6.GX志向型住宅補助金制度のデメリット

7.まずはフィックスホームにご相談ください



「子育てグリーン住宅支援事業」とは何か?

「子育てグリーン住宅支援事業」は、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、新築住宅やリフォームの省エネ性能向上を支援するための制度です。2024年度に「子育てエコホーム支援事業」として実施された制度の2025年度版です。「子育てエコホーム支援事業」では、対象が子育て世帯や若年夫婦世帯に限られていましたが、2025年度「子育てグリーン住宅支援事業」では、対象が全ての世帯に拡大されました。

※1:18歳未満の子を有する世帯

※2:夫婦いずれかが39歳以下の世帯

※3:古家を取り壊して建て替える場合。建て替えでない場合の補助額は80万円/戸

※4:古家を取り壊して建て替える場合。建て替えでない場合の補助額は40万円/戸



上記の表の通り、子育て世帯や若年夫婦世帯であれば、「GX志向型住宅」ではなく、「長期優良住宅」や「ZEH水準」での補助金を申請することも可能です。それ以外の世帯が「子育てグリーン住宅支援事業」の補助金を受けようと考えるのならば、「GX志向型住宅」での申請を行う必要があります。



GX志向型住宅は従来の水準を超える高性能住宅

GX志向型住宅は、従来の省エネ住宅(ZEHや長期優良住宅)を大きく上回る省エネ性能と再生可能エネルギーの活用を特徴とする次世代型の住宅です。具体的には、以下4つすべてに適合する延床面積が50㎡以上240㎡以下の住宅となります。


断熱等性能等級「6以上」

ZEH水準住宅や長期優良住宅を上回るUA値(外皮平均熱貫流率)を達成するため、高性能な断熱材や断熱窓の採用が必要不可欠となります。



再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「35%以上」

住宅における一次エネルギーとは、空調・給湯・照明・換気で消費するエネルギーのことです。この消費量を抑えるために、省エネ効果の高い設備(ハイブリット給湯器・LED照明など)の導入が必要となります。



再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率「100%以上」

削減率100%を達成するためには、太陽光発電システムの導入が必須となります。



高度エネルギーマネジメントシステム(HEMS:ヘムス)の導入

HEMSとは、Home Energy Management Service(ホーム・ エネルギー・マネジメント・システム)の略で、家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムです。GX志向型住宅には、HEMSとHEMS対応住宅分電盤が必要となります。



補助金申請の対象外となる住宅もあるので要注意

なお、前述の基準を満たしていたとしても、以下の住宅はGX志向型住宅の補助金申請において、原則対象外となります。



土砂災害特別警戒区域に立地する住宅

災害リスクの高い地域に建設される住宅は、補助対象外となります。



災害危険区域(急傾斜地崩壊危険区域または地すべり防止区域と重複する区域に限る)に立地する住宅

こちらも同様に、災害リスクの高い地域に建設される住宅は対象外です。



立地適正化計画区域内の居住誘導区域外に立地する住宅

都市計画において、居住を誘導する区域外に建設される住宅は、対象外となる場合があります。



住宅の床面積が50m²未満、または240m²を超える住宅

床面積が50㎡以上240m²を以下の住宅が対象となります。



申請の期間と上限額について

2025年度の申請は5月から開始されます。5月から12月までを第Ⅰ期から第Ⅲ期の3つの期間に分けて募集を行います。第Ⅰ期・第Ⅱ期では、交付申請の合計額が各期の予算上限額(各期150億円)に達した場合は、一度受付けを停止してそれぞれ次の期から受付を再開します。逆に予算上限額に達しなかった場合、残予算は翌期へ持ち越されます。



第Ⅲ期は7月からの受付けとなり、予算上限に達した時点で受付けが停止されます。そのため、秋以降に申請をしようとしても、既に受付けが終了していることも考えられるため、注意が必要です。

※1:第Ⅲ期は、予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで。予約の場合は2025年11月14日まで)



GX志向型住宅補助金制度のメリット

GX志向型住宅補助金制度を申請することで、以下のようなメリットを受けられる可能性があります。



光熱費の削減

高い断熱性能とエネルギー効率の良い設備による光熱費の削減が期待できます。また、太陽光発電システムの導入により、電力購入費用を削減することが可能です。これらにより、長期的な光熱費の削減が期待できます。



住宅の資産価値向上

省エネルギー性能の高い住宅は将来的に売却する際にも高い需要が見込まれ、資産価値が維持されやすい傾向があります。



環境への貢献

高い断熱性能により冷暖房効率が向上し、冷暖房機器の稼働によるエネルギー消費を抑制できるため、CO2排出量の削減により環境保全に貢献できます。



住環境の向上

断熱性能が高まることで、室内の温度差が少なくなり、ヒートショックのリスク低減などの健康面でのメリットもあります。また、適切な換気システムの導入により、室内の空気質が改善され、アレルギーや呼吸器系の健康リスクを低減します。



GX志向型住宅補助金制度のデメリット

GX志向型住宅補助金を申請するにあたっては、メリットだけでなく、デメリットについても知っておくことが大切です。



初期コストの高さ

高性能な断熱材や再生可能エネルギー設備の導入が求められるため、初期コストが高くなる傾向があります。GX志向型住宅の160万円の補助金は魅力的ですが、性能向上や仕様強化にかかる費用を考えると、補助金以上の費用が必要となる可能性があります。



太陽光発電の必要性

GX志向型住宅は再生可能エネルギーの利用を前提としています。そのため、太陽光発電パネルの設置が必要になってきますが、立地によっては太陽光パネルを設置するスペースを確保できなかったり、日当たりが悪く十分な発電量を維持できない可能性もあります。



【まとめ】まずはフィックスホームにご相談ください

GX志向型住宅補助金制度により、高性能な省エネルギー住宅づくりに対して最大160万円の補助が受けられることになりました。その一方で、GX志向型住宅は一般的な住宅に比べて建築費用が高くなる傾向があります。つまり、160万円の補助金は、「住宅を高性能化する費用を補う」と考えることが必要です。そして、補助金の申請にあたっては、光熱費やメンテナンス費用などのランニングコストの低減や資産価値の向上など、長期的なトータルコストで判断することが重要です。



また、申請できるのは子育て世帯や若者夫婦世帯に限られますが、GX志向型住宅補助金ほど条件の厳しくない、長期優良住宅やZEH水準住宅の補助金を利用しての家づくりも考えられます。



いずれにしても、高性能な住宅を設計・施工するには、相応の知識や経験、施工力が必要であり、また、申請手続きが複雑で、専門的な知識が必要な場合があります。ご不明な点があれば、ぜひフィックスホームにご相談ください。