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家づくり研究室

【間取り】たたみの部屋はいらない?その利便性と和の印象を抑える工夫を紹介


こんにちは。私の名はティール教授。当研究室へようこそ。今日も私の研究課題である家づくりについて話していきましょう。

家づくりの際、たたみの部屋をつくるべきかどうか悩む方も多いと思います。たたみの部屋は利便性が高い上に団らんの場にもなるため、つくって損はないスペースです。しかし、その利便性はわかっていても「和の雰囲気が好みのテイストと合わない」と、たたみの部屋をつくることに踏み切れない方もいるでしょう。



今回は、たたみの部屋の利便性や和の雰囲気を抑える工夫、たたみの注意点などをお伝えします。

[目次]

1.魅力を感じたら導入の検討を◎たたみの部屋の利便性をチェック!

2.小上がりのたたみスペースも人気

3.和の印象を抑えたい場合にできる工夫

4.ヘリなし、半畳サイズのたたみを選ぶ

5.素材を変えて色を好みのものにする

6.たたみの注意点

7.たたみの張り替え時期と費用

8.たたみのダニ対策

9.たたみの部屋は自分好みに作れる



魅力を感じたら導入の検討を◎たたみの部屋の利便性をチェック!

たたみの部屋の魅力はその利便性にあります。以下の内容にひとつでも惹かれるものがあれば、たたみの部屋をつくることをぜひ前向きに検討してみましょう。



■団らんの場になる

帰省したときなど、たたみのある空間に自然と団らんがうまれていたという経験はありませんか?たたみの部屋のように居心地のよい場所には、自然と人が集まります。たたみの部屋を「なんだか落ち着く」と感じるのは、和の雰囲気だからという理由だけではありません。イグサの香りや色にはリラックス効果があることが科学的にわかっています。



また、イグサの断熱性や柔らかな質感、空気清浄効果も居心地のよさを感じる理由でしょう。他にも、たたみの部屋に多用される木や和紙などの自然の素材は穏やかな雰囲気を演出します。たたみのある部屋は、リビングともダイニングとも違う「第3の団らんの場」になれるのです。



■直に座ったり寝転がったりできる

直接座ったり寝転がったりできることも、たたみの大きな魅力です。正座はもちろん、あぐらをかいたり脚を伸ばしたり、気軽に寝転がってゴロゴロしたりと、たたみの上では各々が自由なスタイルで過ごすことができますし、たたみの柔らかな感触はくつろぐのにぴったり。たたみの断熱効果、調湿効果、リラックス効果も相まって、より快適に過ごすことができます。



■ゲストスペースとして大活躍

来客をプライベート感の強いリビングやダイニングに通したくない場合に、たたみの部屋は客間として活用できます。また、親族や友人が宿泊する際にも布団を敷くだけでゲスト用の寝室ができるため、「フローリングに布団を敷くわけにもいかないし、どこで寝てもらおうか」と悩むこともありません。



■家事や趣味のスペースとして使える

洗濯物をたたむ、アイロンをかける、裁縫をするなど家事スペースとして、たたみの部屋は適しています。また、生け花や書道、茶道、舞踊、かるたなど趣味や遊びの場としても活用できます。たたみの部屋はリラックスしやすいため、ヨガや瞑想、学習に利用するのもおすすめです。



■幼いこどもの遊び場に最適

イグサには断熱効果があるため、赤ちゃんが寝転がったり、ずりばいをしたりするときに体が冷えにくく安心です。また、滑りにくく弾力があるためフローリングよりもケガをしづらく安全です。防音効果もあり、跳ねたりおもちゃを落としたりしても音が響きにくいという利点も。フローリグの場合、おもちゃで遊ぶ音をうるさく感じたり、おもちゃを落として床が傷ついたりした経験がある方も多いのでは。たたみの場合、それらの心配を軽減できます。



■仏間として使える

仏壇をお持ちであれば、たたみのある和の空間に置くことで仏壇の厳かな雰囲気がより一層引き立ちます。また、たたみの部屋は静かで落ち着いた雰囲気をもつため、心穏やかに拝むことができるでしょう。



小上がりのたたみスペースも人気

小上がりがあると、リビングと同じ空間であってもスペースを自然に区切ることができます。単調な雰囲気になりやすい広々としたリビングは、小上がりをつくることで空間に立体感が生まれメリハリのある印象に。段差に腰かけたり、段差部分に収納をつくったりすることも可能で、小上がりのたたみスペースをつくる方が増えています。



和の印象を抑えたい場合にできる工夫

「たたみの部屋はほしいけど、他の部屋と雰囲気が合わない気がする」という方に、和の印象を抑えるためにできる工夫をご紹介します。



ヘリなし、半畳サイズのたたみを選ぶ

たたみには必ずヘリ(ふち)があり、それにこだわることが昔は「良い和室」とされてきました。ヘリに加え、たたみの長方形のかたちも和の印象を強める一因でしょう。そこでおすすめしたいのが、半畳サイズの正方形のたたみ。「半畳サイズのヘリなし」のたたみを選ぶと和の雰囲気を軽減できます。



素材を変えて、色を好みものにする

イグサ製のたたみは時間の流れとともに青々とした色から徐々に黄色に変化しますが、色が好みに合わない方もいるでしょう。その場合は、カラーバリエーションが豊富な紙製や樹脂製のたたみを選びましょう。イグサの調湿機能や断熱機能、香り成分によるリラックス効果、柔らかな質感など自然素材特有の特長はありませんが、和紙製や樹脂製には防汚機能や撥水機能の他、耐久性が高い、色あせしにくい、ダニやカビに強い、お手入れが簡単といった多くの利点があります。



例えば、淡い桜色や乳白色は部屋を明るくおしゃれな印象に、藍色はモダンでクールな印象になります。ヘリなし正方形の形状であれば、異なる2色を組み合わせて華やかな印象に仕上げることも可能です。



たたみの注意点

たたみには多くの魅力がありますが、デメリットもあります。それは、定期的なメンテナンスを必要とすることと、比較的ダニが繫殖しやすいことです。



たたみの張り替え時期と費用

たたみの張り替えは、①裏返し→②表替え→③新調の3段階あります(以下の目安はイグサ製たたみの場合)。



■裏返し

たたみの芯材である畳床から、表面の畳表をはがし裏返して張りなおします。日焼けによる変色がみられる場合におこないます。目安は購入から4年、費用は1畳5,000円前後です。




表替え

芯材の畳床に新しい畳表を張る表替えは、畳表に痛みが見られる場合におこないます。目安は裏返しから5年程度、費用は1畳7,000~12,000円です。




■新調

たたみを新しいものに取り換える新調は、品質により価格もさまざま。1畳8,000~20,000円が目安です。新調のタイミングは使用環境によりますが、一般的には購入後10年が目安です。たたみが波打っている、たたみの上を歩くと音をたててきしむ、たわむ場合は中の芯材が劣化しているため、経年数に関わらず新調が必要です。
※しっかりと清掃、乾燥して管理されているたたみは数十年使用できるともいわれています。



耐久性の高い和紙たたみの場合、裏返しや表替えのタイミングが10年間隔という商品もあります。素材によってランニングコストが変わるため、それぞれの特徴をふまえて好みのたたみを選びましょう。



たたみのダニ対策

たたみはフローリングに比べてダニが繁殖しやすい場所です。その主な要因は3つあり、①多数の細かいすき間にゴミが溜まりやすい②湿度が高い状態が続くと、たたみの中に湿気がこもりやすい③断熱効果により暖かさを保ちやすいことです。



ダニは湿度60%以上、温度20~30度の環境で繁殖しやすく、人が快適な環境はダニにも適しています。ダニは乾燥に弱いため、日常的に掃除と換気を心がけ、湿度が高い時期は除湿器を利用するなどして湿度をコントロールするとよいでしょう。



たたみの部屋は自分好みに作れる

たたみの部屋は状況に合わせて使い方を変えられる利便性の高い空間です。昔からあるイグサ製たたみには自然素材特有の魅力があり、和紙製や樹脂製のたたみにはイグサ製にはない高い機能性があります。たたみの見た目も、サイズやヘリの有無、色によって全く異なる印象に仕上げられます。



冒頭でご紹介した、たたみの部屋の利便性に魅力を感じた方は、ぜひ自分好みの方法でたたみの部屋を取り入れてみてくださいね。



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