トップページ > 【基礎知識】免震・制震・耐震の違い

家づくり研究室

【基礎知識】免震・制震・耐震の違い

こんにちは。私の名はティール教授。当研究室へようこそ。今日も私の研究課題である家づくりについて話していきましょう。

「地震に強い家」を考えるうえで不可欠な、免震・制震・耐震というキーワード。みなさんは3つを明確に区別できていますか?これら3つが混同してしまい、マイホームにとって一体何が正解なのかわからなくなっている方もいるのでは。

今回は免震・制震・耐震の違いについて詳しくお伝えします。3つのうち何を優先すべきかという答えもわかりますので、ぜひ家づくりの参考にしてくださいね。

[目次]

1.免震|建物にゆれを伝えない

2.制震|ゆれを吸収する

3.耐震|地震に耐える

4.耐震等級3の家が最強

5.要注意!計算方法によって建物の強度が変わる

6.最も優先すべきは耐震



免震|建物にゆれを伝えない

漢字で地震をまぬがれると書く免震は、基礎と建物の間に免震装置をかませ、建物に地震の揺れを直接伝えないようにする工法です。建物が基礎に接しておらず、少し浮いているようなイメージです。免震装置にはスプリング状のゴムなどの形があり、この装置が地震の揺れを吸収することで建物に伝わる揺れを軽減します。高層階の揺れが大きくなりやすい高層ビルに多く採用されています。



免震は、そもそも建物に揺れが直接伝わらない構造のため、地震で建物の壁などが損傷するリスクはとても低いです。また、震度4程度なら建物の中にいる人が地震に気づかない、物が落下しにくい、震度6以上の大きな地震でも家具が倒れにくいなど、地震にとても効果的な工法です。しかしコストが大きく、戸建てでは最低でも300万円以上は追加の費用が必要となり、家が大きければ大きいほど費用も膨らみます。



制震|ゆれを吸収する

家の柱と柱の間にある筋交いに、揺れを吸収する装置を取り付けて揺れを軽減する工法です。例えば、制振ダンパーと呼ばれる装置は地震のエネルギーを熱エネルギーに転換して放出することで揺れを軽減します。地震だけでなく強風による揺れにも効果があります。

制震工法にかかる費用は50~60万円程度で、免震工法と比べるとかなり低いコストでおこなうことができます。



耐震|地震に耐える

地震の揺れを軽減する免震・制震とは異なり、耐震は地震に耐えられるよう建物自体の強度を高めることを指します。柱を太くする、筋交いをいれる、接合部に補強金具をつけるなど方法はさまざまです。そして、強度の指標となるのが耐震等級です。



耐震等級3の家が最強

地震に対する建物の強度(倒壊、崩壊、損傷のしにくさ)を示す耐震等級には1~3までのグレードがあり、強度が最も高いのが耐震等級3です。震度7を観測した2016年の熊本地震では、建築基準法レベル(等級1レベル)の木造住宅の4割が損傷~倒壊の被害があったのに対し、等級3を取得していた住宅は87%が無被害だったという調査結果があります。



【耐震等級】

等級1(建築基準法の定める最低限の耐震基準)
震度6~7の地震で建物が倒壊・崩壊せず、震度5強で損傷しない。

等級2
等級1の1.25倍の地震に耐えられる強度をもつ。等級2以上は長期優良住宅に認定される。災害時に避難場所となる学校などは等級2以上が必要となる。

等級3
等級1の1.5倍の地震に耐えられる強度をもつ。警察署や消防署は等級3で建てられていることが多い。



耐震等級の高い家を作るにはコストがかかります。しかし大地震が起きた場合、等級1の家では倒壊・崩壊は避けられても損傷は避けられないでしょう。そうなると大掛かりな修繕や建て替え、住み替えが必要となります。地震に耐えるだけではなく、地震が起きた後も安心して住み続けられるように、ぜひ耐震等級3の家を建てること強くおすすめします。



要注意!計算方法によって建物の強度が変わる

建物の強度の算出方法には、許容応力度計算(構造計算)と壁量計算の主に2つがあるのですが、実はどちらで計算するかで建物の強度が異なります。許容応力度計算は3階建て以上の建物に用いられる計算方法です。柱や梁(はり)といった各部材の応力(外力が加わったときの抵抗力)、配置バランスなどありとあらゆる項目を詳細に調べ、緻密な計算をおこないます。そのため時間も手間もお金もかかります。



一方、壁量計算とは文字通り建物の壁量を計算するもので、かなり簡略化された計算です。2階建て以下の一般的なサイズの木造住宅では壁量計算が認められており、多くの住宅ではこの計算が使われています。両者は計算の複雑さが異なるため、結果的に同じ耐震等級3であっても壁量計算による等級3よりも、許容応力度計算による等級3のほうが高い強度をもちます。しかもその差は決して小さくありません。



「耐震等級の高い安全な家」「耐震等級3相当」などと宣伝するハウスメーカーがありますが、客側はその根拠をしっかりと見極める必要があるでしょう。



最も優先すべきは耐震

コストの大きさを考えると免震よりも制震を検討する方が多いと思いますが、最も重要なのは耐震です。車で例えるなら耐震はブレーキ、制震はエアバッグのようなものです。エアバッグがあってもブレーキがきかなければとても危険ですよね。



建物の耐震性をしっかりと確保したうえで(許容応力度計算による耐震等級3)、より安全性を高めるために制振装置をつける。このプランが合理的でコストバランスもよいと思いますので、マイホームを計画中の方はぜひ参考にしてみてください。



さらに研究を重ねる

【注文住宅】耐震性や寿命に関する疑問を解決。木造住宅を選ぶべき理由

【間取り】ライフスタイルから考える、暮らしやすい間取りの作り方

【滋賀】でプロに頼って失敗回避!住宅会社と一緒に行う土地選び

【間取り】家族が集う場所を快適に。LDK、間取りの考え方

【住宅ローン】家を建てたあとの暮らしも考えて。資金計画を立てよう!

【高性能住宅】家の構造で住まいは変わる!木造 or 鉄骨造 or RC造を比較

家づくりスターターキットで基礎を学ぶ