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【エコ住宅】草津市|トリプルサッシを過信した家づくりはハイリスク!肝心なのは「切り方」

こんにちは。私の名はティール教授。当研究室へようこそ。今日も私の研究課題である家づくりについて話していきましょう。

高性能住宅が多く建てられるようになり、日本でもトリプルサッシなどの断熱性の高い窓が普及し始めました。しかし【トリプルサッシの性能をあまりにも過信しているでは?】と感じるような設計の家があります。



「断熱性の高い窓にたくさんお金をかけたのに、家の中が暑くて寒い!」そんな失敗はしたくないですよね。
窓の断熱性は確かに大切ですが、より肝心なのは窓の「切り方」。これに気を配ることで、コストを抑えながら快適な家をつくることができます。トリプルサッシを検討している方はぜひ参考にしてくださいね。



[目次]

1.トリプルサッシとは?高性能だけどコストも高い

2.住宅の主な窓は4種類。おすすめは樹脂フレーム

3.いくら有能でも「窓」のひとつに過ぎない

4.窓は断熱性よりも「切り方」が重要

5.トリプルサッシを過信した設計は絶対にNG!



トリプルサッシとは?高性能だけどコストも高い

昔の家でスタンダードだったのは、窓ガラスが1枚のシングルサッシと呼ばれるタイプ。しかし現在は、窓ガラス2枚のペアサッシが多く採用されています。ガラスを複数枚使うことで、ガラスとガラスの間に空間ができ、熱や音をさえぎる効果があるのです。



トリプルサッシとはガラスを3枚使用した窓のことで、ペアサッシよりも断熱性や遮音性が優れています。断熱性が高ければ窓の結露を防ぐことができ、カビや汚れが軽減します。快適な住まいにとってメリットが大きいトリプルサッシですが、シングルサッシやペアサッシと比較して価格が高い点が難点。ガラスの大きさや性能などにより差はありますが、ペアサッシの3倍程度はみておいたほうがよいでしょう。

住宅の主な窓は4種類。おすすめは樹脂フレーム

現在、住宅に採用されている窓は主に以下の4種類。最も多く使われているのは外側がアルミで内側が樹脂の複合フレームのペアガラスですが、おすすめしたいのは全体が樹脂フレームのタイプ。

表にある熱貫流率(U値)とは熱の伝わりやすさを示すもので、値が小さいほど熱が伝わりにくいということ。つまり、値が小さければ小さいほど外気温の影響を受けにくく結露しづらいことになります。断熱の強さを表す熱抵抗値(R値)は1/Uであり、値が大きいほど断熱性が高いことを示します。



表の通り、樹脂フレームになると断熱性能は大きく向上します。外の暑さ寒さが窓から伝わりにくく結露も大きく軽減できるため、アルミフレームや複合フレームのものと比べてコストはかかりますが、ぜひ樹脂フレームを選択することをおすすめします。
※結露するかどうかは温度と湿度で決まるため、断熱性が高くても湿度がかなり高い状況だと結露が発生することがあります。



いくら有能でも「窓」のひとつに過ぎない

続いて、窓の厚さに着目してみましょう。
同表をみると、樹脂フレームの窓はアルミフレームと比較して2.5倍以上の厚みがあり、断熱性の高さがみてとれます。



しかし、壁と比較するとどうでしょう。一般的な壁の断熱材「グラスウール」は厚さが100mm。表中で一番厚い樹脂×トリプルサッシの2.5倍以上の厚みがあり、熱抵抗値(R値)をみても断熱性は桁違いに高いことがわかります。断熱材なのだから当然の結果です。実際の壁は【壁板|断熱材|壁板】の状態ですから、断熱性にはもっと大きな差があるでしょう。



ここでお伝えしたいことは、いくら高性能の窓であっても窓は窓。その能力には限りがあり、壁の断熱性には敵わないということです。断熱性が優れているからといって大きな窓をいくつも設けると、外気温の影響を受けやすくなってしまうのです。



窓は断熱性よりも「切り方」が重要

では、一体どうすればよいかというと【部屋ひとつひとつに最適な窓を選ぶこと】が大切です。大きな窓をつくる部屋が南向きである場合、1年を通して日当たりがよく日照時間も長いため、とくに問題はないでしょう。



しかし、南向き以外の部屋は窓の切り方をよく考える必要があります。北・東・西向きの部屋は南向きの部屋と比較して日照時間が短く、夏場を除いて約半分。北向きの部屋にいたっては冬場にほとんど日が入らず、窓から部屋の熱が奪われる一方となります。また、西向きの部屋に大きな窓をつくると、夏場は西日が入ってきて焼け込む恐れが。



そこでベストなのは、樹脂フレームのペアサッシもしくはトリプルサッシの取り付けを前提として、南向きの部屋は大きな窓、他の部屋は小さめの窓にする方法です。資金に余裕があるのであれば家中の窓をトリプルサッシにするのもよいと思いますが、先述の通りトリプルサッシはとても高価です。樹脂フレームのペアサッシにして高性能のカーテンやブラインドで断熱性を補うという手も。部屋ごとに最適な大きさ、最適な性能の窓を選ぶことで、窓からの熱の出入りは最小限になり、コストも大幅に抑えることができますよ。



トリプルサッシを過信した設計は絶対にNG!

住宅メーカーや工務店によっては「トリプルサッシは断熱性が高いので、窓を大胆にとって開放感のあるオシャレな間取りにできますよ」とすすめられることもあるかもしれません。しかし、高性能なトリプルサッシであっても壁の断熱性能には到底かないません。



きちんと閉めていたとしても窓を通じて想像以上の熱が移動するため、無計画に窓をつくればオシャレではあるものの、想定よりも暑い・寒い家ができあがってしまう恐れがあるのです。どの方角の部屋にどんな大きさの窓をつくるのか、そこに最適な種類の窓は何なのか。理論的に考えながら設計をおこないましょう。



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