南欧風にあこがれて考えたという外観は、すべて塗り壁という贅沢な仕上がり。陶器瓦葺き屋根や、正面のレンガが映える。
壁や天井にホタテの漆喰壁を採用するなど、自然素材にこだわったリビング。床のオーク材も一枚ごとに模様や色合いが違うため、並べると味わい深い表情が生まれる。4本の化粧梁と、テレビ台裏の壁のタイル貼り、リビングとダイニングを区切るアーチ状の垂壁が、広い空間の中でアクセントになっている。
南から明るい光が差し込むリビング。ホワイトオークの扉は引き戸になっているため、夏は開けておくことで、玄関ホールとのつながりが生まれ開放感も出る。
ダイニングには、食卓の上に飾られた3つのランプ、アーチ状の垂壁で縁取られたかわいらしいカウンター、カフェのような絵本棚やステンドグラスなど、ご夫妻の遊び心が詰まっている。
キッチンは、カウンターを付けないことで視界も広く。「手を伸ばせば、ダイニングテーブルに直接お皿を置くこともできるので便利です」と奥さま。
「毎日立つ場所なので、楽しい気持ちになれるように」と、内側にはレンガ調のタイル貼り。隣にはパントリーとしての棚も設置。
ダイニングキッチンからも目が届く洋室は、現在お子さまの遊び場として活用。将来は客間としても使う予定。
玄関には、外出時に毎回2階へ取りに行かなくてもいいように、上着やバッグを置くためのクロークと、家族全員の靴やご主人さまの釣り道具などを収納するための土間収納を完備。
「誰が浴室にいても気にせず使えるように」と、脱衣室から独立させた洗面室。お子さまが泥で汚れて帰ってきたら、玄関を通らずに勝手口から浴室へ。
南向きのバルコニーから光がたっぷりと差し込む2階ホールは、ホスクリーンを天井に埋め込んで室内干しも可能。ちなみに2階の個室の床材も自然素材にこだわり、すべて杉を使用している。
2階の主寝室は、屋根の傾斜を利用した勾配天井になっており、吹き抜けのような開放感がある。今は一つの空間として使っているが、将来は真ん中に壁を設置して二つに分け、子ども部屋として使うことも視野に入れている。そのため、扉も2ヵ所に設置。
今は一つの空間として使っているが、将来は真ん中に壁を設置して二つに分け、子ども部屋として使うことも視野に入れている。そのため、扉も2 力所に設置。
2階納戸は、クリスマスツリーや冬物のコートなど季節ごとに出し入れするものを収納。
1階のトイレは来客も使用するため、落ち着いた雰囲気にまとめている。2階トイレはご家族用。お子さまがトイレに行くことを嫌がらないように楽しい雰囲気にした。
スイッチやコンセントのカバーなどもインテリアの一部として、好きなものを選びました。特にこだわったのは、キッチンのステンドグラス。採光の役割もあるので、ただの壁よりも開放感があって明るいです(奥さま)。
1階
2階
基本情報
延べ床面積:137.04㎡
建築価格帯:2500万円〜3000万円
工 法:木造在来軸組工法
工 期:3ヵ月~4ヵ月
アンティーク調のかわいらしいドアを開けると、壁から天井へと広がる白い漆喰壁、温かい印象のオーク材の床と、自然素材に囲まれたリビングが広がる竹中さまのお宅。音楽ホールのように広い空間をお子さまたちが元気よく走り回っています。「上の子が幼稚園に上がるまでに家を建てたかった」というご夫妻。
地元の住宅会社を中心にネット検索したところ、フィックスホームを見つけたといいます。「高気密や高断熱など、家の性能という、見えない部分にも力を入れているなと思いました。打ち合わせでも、今の暮らしや将来のことを考えながらライフプランを立てて、どれだけ家づくりにお金をかけられるかを一緒に考えてくれたんです。〝せっかく家を建てても、家族の趣味を楽しむ余裕もとっておかないとだめですよ〟と、とても親身になってくれました」とご主人さま。
ご夫妻が、家づくりのテーマにかかげたのは、自然素材の心地良い家。「以前住んでいたアパートがコンクリート材だったので、湿度が高くカビが発生して大変だったんです。だから新しい家では素材そのものが調湿もしてくれるような自然素材にしたかった」と奥さまは言います。そこでお二人が選んだのは、ホタテの貝殻が原料となっているホタテ壁。通常の漆喰や珪藻土よりも低コストですが、調湿性や耐火性に優れており、窓から差し込む光も柔らかく受けとめてくれます。玄関や廊下、脱衣室など、洋室以外の1階の空間は、壁や天井を含めてすべてホタテ壁にしました。
他にも、空間を縁取るアーチ状の垂壁、一つずつデザインの違う照明やスイッチ、オーダーでつくったステンドグラスなど、自然素材に囲まれた優しい室内に、お二人のセンスが詰まっています。また、玄関ホールに設置したクロークをはじめ、釣りやスノーボードなどが趣味だというご主人さまのアウトドアグッズを置くための外部収納など、収納計画にもこだわりが感じられます。「裸足で床に寝っ転がったり、子どもたちも楽しそうなんです」とご夫妻。年月の積み重ねを楽しむ自然素材のように、ご家族の笑顔もたくさん重ねていくのでしょう。
竹中さまご家族と担当の楢崎(後列)。「本当にいろいろなアイデアをくださって心強かったです」とご主人さま。