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無垢の床材を使用すると、手入れに手間がかかりますか?

無垢の床材のメリットとデメリットに関するご相談です

【ご相談内容】

子どもの小学校入学を機に、そろそろ家をと考えています。私も妻も、家のデザインや設備には、特に大きなこだわりはありません。ただ、せっかく家を建てるなら、出来れば一つだけ叶えたいことがあります。それは無垢の床材にしたいということです。素人ですので、どんな木の種類があって、何がいいのか分かりません。変色や傷のつきやすさ、メンテナンスのこと、お値段のことなども心配です。無垢の床材を使用する上でのメリット、デメリット、選び方のポイントなどがあれば教えてください。

このご相談に、

チームフィックス広報部

RAS(ラス)父さんがお答えします!

無垢フローリングの最大の魅力は、視覚的に美しい空間に仕上げられ、且つ肌触り(足触り)も優しく、馴染みやすく、素足で踏んだ時の踏み心地の良さではないかと思います。

さらに樹種にもよりますが、針葉樹の無垢フローリングを使えば、冬の床の冷たさが、一般的なフローリングに比べて軽減されます。

しかし、ひと言で「無垢の床材」といっても、どんな種類があって、何を基準に選べば良いのか、また、どんな特徴がるのかなど、分からないことが多いと思います。

そこで今回は、新築をする際に検討されることの多い、無垢フローリング(床材)について、メリット、デメリットと合わせて、選ぶポイントをピックアップしてお伝えをします。

1.木の種類と性質によるメリットとデメリット

樹種や特徴に関して、詳しくお伝えし始めるとキリがありませんので、出来るだけ簡単に分かりやすくお話しをしていきます。


まず、木の種類を大きく分けるとしたら「針葉樹」と「広葉樹」に分けられます。「針葉樹」の仲間には、スギやヒノキ、パインやマツなどがあり、広葉樹」には、オーク、チーク、ウォールナット、メープル、タモなどがあります。

●一般的な針葉樹の無垢材を床材として使用すると、特有の木の香りが気持ちが穏やかにし、肌触りがよく、暖かく快適に過ごすことができる反面、広葉樹に比べて柔らかく、キズやへこみがつきやすい等のデメリットがあります。


●一般的な広葉樹の無垢材を床材として使用すると、キズやへこみがつきにくく、針葉樹よりも耐久性に優れているため、色やツヤが美しく高級感があります。その一方で、冬の寒い時期に素足で歩くには、少し冷たく感じるというデメリットが生じます。

2.経年変化によるメリットとデメリット

無垢の床材は、キズや汚れが付きやすいという特徴はあるものの、革製品と同じのように時間が経過するほど、味のある風合いになっていきます。単なる劣化ではなく、経年変化を楽しむことが出来るのは、自然素材である無垢材ならでは。

一般的な複合フローリングは、新築の時が一番美しく、時間が経つほどに傷や汚れがついたり劣化していくだけに見えてしまいますが、無垢の床材は使い込むことで艶が出たり、少しずつ色が変わっていくなど、味わい深く変化していきます。

木の種類によって、経年変化のしかたは違いますが、例えばチーク材は徐々に飴色に美しく変化していきます。無垢の床材は、木の風合いはもちろん、人間が年を重ねるほどに、深みが増していくように、一緒に年をとることによる経年変化を楽しむことが出来ます。

無垢フローリングはキズや汚れがつきやすい一方で、集成材などをつかった複合フローリングなどの新建材にはみられない自然素材ならではの変化の仕方をするので、それを楽しむ余裕が必要になります。

無垢材を使った無垢フローリングは材質の関係で、ほとんどの場合、普通に生活をしているだけで、日々、傷がついていきます。ですから、引っ越しした途端(初日)に、傷がつくのは何ら不思議なことではないのです。


なぜならそれが「自然」だから。

ですから、無垢フローリングにはキズはつきもの、と割り切って付き合っていくことが非常に大事になります。

無垢フローリングはキズなどを含め、素材のもつ雰囲気や天然の調湿性などの機能性を味わう素材だということを前提に採用する必要があります。

3.価格によるメリットデメリット

無垢材を採用するにあたり、気になるのが価格でしょう。一般的に無垢材が高級品というイメージがありますが、ひと言で無垢材と言っても、木材は、カットの方向や、木目の美しさ、節の多さ、希少性や風合いなど様々な条件を総合して値段がつけられています。また国産なのか、輸入材なのかによっても価格に影響を受けます。無垢材は、自然素材であるがゆえに、品質が安定しにくく、施工時に一定のロス(使えない材料)の出る可能性があることも考えておかねばなりません。

単純に材質として優れているから高いという訳ではないということを理解しておいてください。さらに工事費も含めて考えるなら、1枚の床材の幅や長さによっても、大工さんの手間代が変わりますので、材料費と工事代を合わせて検討する必要があります。

フィックスホームでよく使用される一般的な無垢材では、スギやパインが比較的安価、サクラやメープル、オークが中間、チークやウォールナットが高価な傾向があります。

さまざまな要素によって価格が変動するため、採用時にはキチンと確認してから採用するかを決めていきましょう。


4.メンテナンス性から見た、メリットとデメリット

最後に、メンテナンスという側面から見た無垢材のメリットとデメリットについてお伝えをします。

無垢床材を採用するにあたり知っておきたいのは、無垢材の特徴である、湿気を吸収し、放湿することで膨張と収縮を繰り返すということ。膨張と収縮による変化は、縦方向(長手方向)よりも、横方向(幅方向)の方が大きいとされています。また幅が広くなればなるほど「異方性」という特徴により、反りが大きく出てしまいます。無垢床材の幅を選ぶ時は、後々のトラブルを防ぐ意味でも、こうした変化を理解したうえで選ぶことが大事です。


次にお手入れの方法として、無垢床材は、全体的に、普段は乾拭きをする程度にして、定期的に湯水をかたく絞った雑巾で拭くようにしてください。拭く際は、木の繊維に汚れを染み込ませない意味でも、綺麗な雑巾を使うようにしてください。


無垢床材は、摩耗やキズや汚れなどが生じても、その部分をメンテナンスしてあげることで、素材を蘇らすことが出来ます。

比較的小さな凹みや傷を直したい時には、凹んだ部分に、綺麗に水を塗り、木の繊維に充分に水を吸わせるため、数分間放置してください。無垢材は、吸放湿性があるので、水分を吸い込むことで繊維が膨張し、凹みが目立たなくなります。このとき、全体的に丁寧に、水を吸収させ膨らませておくと、仕上がりが良くなります。


水が無垢材に充分に吸収されたら、アイロンを優しくあてて水分を蒸発させていきます。ただし、あまり熱すぎたり、長期間アイロンをあて過ぎてしまうと、無垢材が焦げたり変色してしまうこともあるので注意が必要です。焦げそうな場合は、直接無垢材にあてずに、タオルなどを敷いてからアイロンをかける方法も有効です。無垢材に染み込んだ水分が蒸発すると、凹みが浮き上がり目立たなくなります。

傷を直す時には、サンドペーパーをかける方法もあります。目の粗い方から細かい方に数種類のサンドペーパーを使って、様子を見ながらかけていきますが、少しコツが必要なので、自信のない方は住宅会社の担当者に相談してみるといいでしょう。


これを機会に、無垢材について、研究してみるというのはいかがでしょうか?


何かご不明な点がありましたら、遠慮なくご相談ください。