結論から申し上げると、掘り出し物の土地は存在しません。正しくは掘り出し物の土地は、市場に出回りません。どういうことかを解説していきます。ここでは「掘り出し物の土地」を、周辺相場に比べて価格の安い土地を掘り出し物の土地としてお話しを進めます。
例えば土地所有者(個人)が、何らかの事情で自分の土地を売りたいとします。個人間売買なら別ですが、普通は不動産仲介業者に相談して、自分の土地を買ってくれる方を見つけてもらいます。そして条件が合えば、売買契約が成立し取引がなされ、所有権が購入者へ移ります。
土地の売値は、さまざまな諸条件を加味して、不動産仲介業者もアドバイスをしながら、最終的には所有者(売主)が決定しますが、もし何らかの事情で、所有者が一刻も早く売却したいと考えていたとしたらどうでしょう。
おそらく不動産仲介業者は、「希望の価格で売り出すと、いつ売れるか分かりません。もしかしたら売れるまで、かなりの期間を要するかも知れません。例えば、あなたの売却希望価格から2割とか3割くらい下げてもいいと思うなら、この場で弊社で買い取りますがいかがですか?」と提案することでしょう。
ここで所有者(売主)が納得をして売却を了解をすれば、まさに、掘り出し物が完成した瞬間になります。
その後、その土地は新しい所有者である不動産仲介業者が、市場価格より少し高い価格で市場に情報を公開した時に初めて、一般の土地探しをしている人たちの目に触れることになるのです。ですから、仮に掘り出し物の土地が存在したとしても、それはあくまで水面下でのお話しで、市場に販売されるときには掘り出し物の土地ではなくなってしまうのです。