家づくりを一緒にお進めいただいたオーナーさまご家族を、僕がどのように考えているのかということを、誤解を恐れずに一言で言い表すなら「分身」です。違う言い方をするなら「弟や妹、もしくは息子や娘」のように考えています。当然のことながら、オーナーさまの中には、僕よりずっと年上の方もいらっしゃいますので、大変失礼だとは思いつつ、心の中ではそぅ思っています。
家づくりは、本当にさまざまなことをお打ち合わせしていきますし、プライベートなお話しもします。出会いからお引き渡しまでの期間だけを考えても、それぞれのご家族に関わる時間も長く深いです。そして家は、引き渡しをすれば完了ではなく、その後、数十年にわたりメンテナンスが続きます。ある意味、本当の家族よりも長くお付き合いさせていただくご家族もいらっしゃる訳です。
自動車のように、5年や10年で買い替える(住み替える)ことも少ないため、一度、オーナーさまになっていただいたご家族は、基本的にはずっとオーナーさまのままであることが多いですから、そのご家族のお子さまの成長も見届けていくことにもなります。幼稚園に入園した、小学校に上がった、中学生になった、受験をしたなどは毎年のようにお聞きする話しです。
また、お若いご夫婦なら家族が増えたり、初めは単世帯でお住まいでしたが、ご両親と同居を始めたというご家族もいらっしゃいます。そういう意味では、家づくりに携わるということは、そのご家族の人生の1ページに刻まれることになりますので、責任も重大です。
だからこそ、覚悟を持って向き合わなければいけませんし、僕の中では単なるお給料をいただくための仕事という位置づけではなく、住まいという分野ではオーナーさまを守る唯一の存在であると考えています。