こんにちは。私の名はティール教授。当研究室へようこそ。今日も私の研究課題である家づくりについて話していきましょう。
家づくりを成功させるためにいちばん重要なことは、よいパートナーに出会うこと。
マイホームづくりはあなたと住宅会社が二人三脚で進めていくものです。情熱を持って家づくりに取り組み、家が建った後も長くつきあえる住宅会社や工務店を見つけることが欠かせません。
でも残念ながら住宅業界には、「家が建ってお金が支払われるまでが仕事、あとの暮らしには関与しない」といった考えの会社も多くあります。
このコラムでは、滋賀で注文住宅を多く手がけてきたプロだからこそわかる、よい住宅業者、避けたい住宅業者のポイントをまとめました。
あなたの理想の暮らしを一緒になって考え、家が建った後も長く付き合うことができる。そんな住宅会社をかしこく見分け、家づくりの夢を叶えてください。
家づくりのパートナーは、工事が始まる前に決めればいいと思っていませんか?
実は家づくりを土地選びから始める方の場合、土地選びの前に依頼先候補を絞り込むことが成功のカギとなります。
なぜなら、家づくりの依頼先がある程度決まれば、「土地選び」をその業者に相談することができるから。情報が命の不動産業界で、これは大きなメリットです。
土地には建ぺい率や容積率といった規制のほか、ガスや水道の設置状況など、さまざまな条件があります。「いざ家を建てようと思ったら、建てたい家が建てられないことがわかった」なんてことも起こりうる世界。
どんな家を建てたいのか決まっていないのに、先に土地だけを購入してしまうのはとてもリスキーです。
また条件の良い土地は、一般に情報が出回る前に不動産や建築業などプロの間で、先に売約が成立してしまうことも。
こうして見ると土地選びは、住宅のプロの力を借りる方が、安全で効率が良いことがわかるでしょう。
信頼のおける営業担当者なら、あなたの建てたい家や理想の暮らしをヒアリングしたうえで、それに合う土地を探して提案してくれるはずです。
また、住宅会社や工務店に相談しないまま土地選びだけを進めてしまい、気に入った土地が見つかってしまうと、その後の土地代金支払いまでの期間が、とんでもなくタイトなスケジュールになることもあります。
よい土地を、じっくりと見つけたいと思うなら、まずは家づくりのパートナー探しから始めていきましょう。
よい住宅業者を選ぶには、情報収集から。このとき大切なことは、カタログやインターネットの情報だけで終わらせないことです。
カタログやホームページには、表向きの情報しか載っておらず、営業担当者の人柄も確認できません。
住宅展示場があるなら足を運ぶことはもちろん、現場見学会にも積極的に参加し、自分の目で情報収集を行いましょう。
住宅展示場でモデルハウスを見るときに注意したいことは、モデルハウスは「見せるためのドリームハウス」だということ。気に入った設備があっても「オプション」なら、予算内に収まらない可能性があります。気になるものがあれば「標準」か「オプション」かを担当者にしっかり確認しながら見回るようにしましょう。
地元の住宅会社や工務店が行う現場見学会では、実際に住むための家を作っているところが見られるので、リアルな家づくりの参考にできます。実際の工事を見ながら、構造のポイントについて質問してみるのもおすすめです。
開催日が決まっているため、スケジュールを合わせる必要がありますが、その価値は十分あるといえるでしょう。気になっている住宅会社や工務店があれば、ぜひ現場見学会に足を運んでみてください。
現場見学会では、以下の2点をしっかりとチェックしておきましょう。
工事の手順が整っていれば、資材や機材が雑然とすることはなく、自然に現場はきれいになるもの。
こまめに箒や掃除機で掃除をしているかどうかもみてください。
もちろん、現場にゴミが散乱しているような住宅会社や工務店は論外。気になっている会社があれば、抜き打ちで見学に行くと、ふだんの様子がわかります。
壁のなかや床下など、できあがってしまえば隠れて見えなくなる部分の仕事に着目してください。断熱材をギュウギュウと押し込んだり、逆に隙間があったりしても、壁を張ってしまえばもう見ることはできません。見えないところにこそ、家づくりにかける真面目さや情熱が表れます。
家を建てた人にアンケートをとると、多くの方が「営業担当者の対応の良さ」で家づくりの依頼先を決めています。
「人生最大の買い物だから、信頼できる人に」「家づくりは建てて終わりではないので、長く付き合える人に」といった理由があるようです。
でも相手の営業トークを聞くばかりでは、なかなか人柄までは見えてこないもの。具体的にどうしたら、営業担当者が信頼できる人柄かどうかを確かめられるのでしょうか?
それを確かめるには、こんな質問をしてみることをおすすめします。
「あなた自身はどんな家に住んでいるのですか?」
「なぜあなたはこの仕事をしているのですか?」
商品や会社のことばかりではなく、営業担当者自身に関する質問をすることで、どんな価値観を持って、この仕事に取り組んでいるのかがわかります。
都会よりも田舎が好きなタイプや、車や旅行など趣味にお金や時間をかけて充実させたいタイプ、子どもが好き、動物が好きなど、営業担当者もいろいろです。
話を聞き出すなかで、「この人なら、自分たちと価値観が合いそうだ!」と思える人を見つけてください。
長い付き合いになるので、価値観を共有できるかどうかはとても大切なポイントです。
受け身ばかりではなく、ぜひこちらからも鋭い質問を繰り出して、担当者の本音を引き出すようにしましょう。
上で紹介した以外にも、「地元密着型かどうか」「自社施工かどうか」なども、よい住宅会社や工務店のポイントになります。
地元密着であれば、完成後にトラブルが起こっても迅速に対応してもらえますし、メンテナンスやリフォームといった相談もしやすいでしょう。
また、実際の施工を自社で行っているかどうかも大切。下請け業者に工事を丸投げ、という会社では施工品質が落ちがちなうえ、中間マージンも発生します。地元の住宅会社や工務店が工事の質に責任を持てるのは、自社施工で腕の良い大工を抱えているからです。
以上、家づくりのプロの目から、住宅会社・工務店選びでチェックすべきポイントをご紹介しました。
家づくりが成功するか否かは、パートナー選びにかかっています。ぜひチェックポイントも活用していただき、心から「任せてよかった」と思える出会いを引き寄せてください。